適切な服薬を続けることの大切さ

先日、来客があったので、弟も私もその間に外出することにしていました。それぞれ別のタイミングで出かけたのですが、弟が向かった先は図書館だったそうです。昼食も取らず、水分補給は図書館にある給水機のお水のみ。ひたすら4時間、何をしていたのかわかりませんが、一歩も外に出ないで過ごしたようです。

 

確かに特に昼時は、ランチのために外に出るビジネスパーソンが多いのです。母曰く、会社員の人たちがたくさんいるお店に一人では入れないのだろうとのこと。一人で外出できるし、少しよくなっていたので大丈夫だろうと思っていたのですが・・・そういえば、携帯の機種変も一緒に来てくれないかと言われました。

 

統合失調症を発症してからも、仕事をしたり、大学院に通っていた頃とはまったく状況が変わってしまっていることを、改めて実感させられるできごとでした。

 

振り返ってみると、やはり初期の段階から薬の量が少なかったり、薬を勝手に止めてしまっていた時期の影響が大きいと思います。薬が少なくて激しい陽性症状を抑えきれていなかったし、薬を勝手に止めている間に、症状がどんどん進んでいたのだと思います。当時よりも薬の量を増やしている今も、陽性症状は続いています。残念ながら、こうして弟の症状は固定されていくのかもしれません。

 

もし、特にまだ統合失調症を発症して間もない方がいらしたら伝えたいです。本人が難しいようであれば、ご家族に。早いタイミングから精神科を受診し、薬を飲み続けることをお勧めします。勝手な判断で、民間療法などを頼りにしたりしないこと。いずれ民間療法や認知行動療法などが役立つことがあるかもしれませんが、まず第一に重要なのは服薬です。

 

そして本人の症状を家族から伝えることも重要だと思います。本人が症状を伝えきれない、あるいは問題ないと言ってしまっていることで、薬の量が少なくなっていることがあるからです。私は弟を病院に連れて行ったことで安心して、その後は母に任せてしまっていました。薬の量が少なかったことや途中で薬を止めていることに気づかなかったことは、母も後悔しているようです。

 

本人が通院を拒むようであれば、まずは病院に家族相談に行くなり、できることをしてあげて欲しいと思います。症状が進んだり固定したりしないうちに、適切な服薬で症状を抑え、リハビリに取り組むことで寛解への道も開けるのではないでしょうか。

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