誰にでもある「しあわせを感じるチカラ」

自分自身が闘病生活を送っていたり、あるいは家族の病気と闘っていたりすると、毎日がそのことで精一杯になって、「自分はどうしてこんなに不幸なんだろう」と思うことがあるかもしれません。でもそういう気持ちは永遠に続くわけではなくて、いつもより少し体調がいい時や、家の中がいつもより穏やかな時、自分の中からいつもとは違う気持ちが生まれたりするものです。先日、昼食後のひと時をリビングで過ごしていると、弟が窓の外を見ながらこんなことを言いました。

 

「こうして家族と過ごせているのは、しあわせなことかもしれないな」

 

思わず、母と私は顔を見合わせました。何を考えていたのかわからないけれど、きっと心の中が穏やかだったのでしょう。私たちの置かれている状況は厳しいものだけれど、その時、穏やかで平和な時間が流れていました。辛い状況にあっても、ちょっとした瞬間に、人はしあわせを感じることができるのだと思います。もしかすると、辛い経験をした人の方が、それを乗り越えたり、うれしいがあった時、より一層の喜びやしあわせを感じられるのかもしれません。

 

この先、自分や家族がどのような状況に置かれても、しあわせの感度を高く持っていたいと思います。それがまた、自分自身の支えにもなるような気がするからです。

 

はじめに