「認知のゆがみ」がやってくるとき

統合失調症の場合、休息期から回復期にかけて、どんな病状の患者であっても「認知機能障害」が起こってくるそうです。そして、その回復期こそが、その後の人生を左右し、家族のサポートが最も大切な時期であると、「家族が統合失調症と診断されたら読む本」には書かれています。

 

昔と違い、現在では急性期と休息期の境目がはっきりしていなかったり、休息期のうつ症状も、薬の副作用であるケースもあるそうで、明確に捉えるのが難しいとのこと。いずれにしても、回復期には「認知機能障害」が必ずあるということであり、著者は、こう言い切っています。

 

“現代の統合失調症はどんな病気かと聞かれれば、私は「認知機能障害」を引き起こす疾患だと答えます。”

 

認知機能とは、物事を判断したり、計画を立てたり、集中したりといった能力のことです。統合失調症では、そこに障害が起き、認知機能が低下して、ゆがんだ捉え方になるのだそうです。

 

相手の目を見ない、自分の世界に閉じこもる、身の回りのことを気にしなくなる、興味のないことはまったくやらない、というような症状があります。ただ、誤解されやすいのは、認知機能が落ちるといっても知的能力が落ちるわけではなく、記憶力はなくならず、IQも発病前のままということです。

 

本の中にも書かれていましたが、弟の症状でいま一番気になっているのが、「認知のゆがみ」。被害妄想によって、事実が曲げられ、そのことによって自分自身の行動を制限してしまったり、家族に対しても批判や制限をかけてしまったりします。

 

これに関しては、やはり認知行動療法などを含めたリハビリが大事だと思うのですが・・・

病識がないというのは本当に難しいものです。

 

家族が統合失調症と診断されたら読む本

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