入院しても始まらない治療

母が、医師との面談に行ってきました。結論としては、本人が拒んでいるので、無理に服薬させることはできないとのことでした。しばらく様子を見るしかないようです。

 

弟は「問題なく生活できている」と言いますが、それは病院という刺激の少ない場所で過ごしているから。やはり、医師もそのように言っていたそうです。ちなみに、看護師さんによると、まだ洗濯はかろうじてできているものの、だんだん部屋が散らかってきているそうで、それを一緒に聞いていた弟は、ムキになって否定していたとか。とにかく、“自分にはまったく問題はなく、自分の言っていることがすべて正しい”ようです。

 

薬を飲まなくなる期間が長くなると、確実におかしなことを考え始めてしまいます。例えば今日は、新卒で入社した会社にまた入ると言い出したそうで・・・過去に、社長に手紙を書いて送ってしまい、人事から丁重に断られたということがあったのですが、そのことを母が言うと、また40歳になると入れるのだと言っていたとか・・・大体の話は、このようにして終わります。

 

弟の場合は、暴力を振るったり、警察沙汰になることはありません。把握している限りでは、ご近所に「盗聴をやめて欲しい」と言い行ったり、隣に知り合いが住んでいると思い込んでハガキを投函してしまったりということがありました。迷惑なことではありますが、警察沙汰にはならない程度の行動なのです。

 

これまでの傾向としては、被害妄想が強くなって家族に訴えたり、物事を自分に都合のよい方向に考え始め、それが自分の中で事実になってしまうということがあるようです。もちろん、被害妄想は服薬していてもありますが、思考の暴走や強い思い込み、判断力を失って行動に移してしまうということは、服薬をしている間にはなかったように思います。

 

さらに進むと、家族や第三者へのアプローチは一切なくなります。1人で意味の分からないことを書いたり言ったり、その場に立ち尽くしたり、グルグル回ったりということが始まります。そこまで進むと、本人の抵抗はやや弱まるようです。

 

現状では、結局のところ、どんな話になっても自分の言うことを通そうとし、相手の言うことは一切聞かず、頑に否定しかしないので、まったく話にならないそうです。このままさらに症状が進み、自分で訳が分からなくなるところまで行かないと、服薬できないのでしょうか。彼の心が、何をきっかけに動くのか、まったくわかりません。

 

母は、最後の抵抗をしているようだと言います。薬を飲まないと、どうなってしまうのかという話も通用しません。薬を飲まない期間が長くなると、確実に症状が進みます。家族としては、それは抑える方向に持って行きたいと思うのですが・・・治療が始められるのは、いつになることやら・・・