入院中の弟とチョコレートと私

救急入院科病棟から亜急性期病棟に移り、2週間が過ぎました。“亜急性期”というのは、急性期の段階を過ぎて病状が安定し、リハビリや退院支援を行う段階にある状態のことをいうようです。

 

弟が、バレンタインのチョコレートをご所望だったので、ちょうど医師との面談のあった15日に面会に行ってきました。病院側(医師、看護師、精神保健福祉士)と弟との面談は母に任せてしまって、私は面談後に、本人と面会だけすることにしました。

 

久しぶりに会った弟は、以前よりも服装がしっかりしていて、シャツにジャケットを着て、端から見ると病人であることはわからないくらいでした。面談の後だったせいか、入院していることに対しての被害妄想が言葉に出ていましたが、そのこと以外は、普通に話ができ、比較的穏やかな時間を過ごせたように思います。

 

入院をして薬を飲んでいるのは私の代わりであるという認識は、変わっていませんでした。面談でも、退院後についての本人の希望は変わっていなかったようで、相変わらず病識もありません。

 

ただ、救急病棟では、とにかく3ヶ月で退院することが決まっている中での生活でしたが、今回は、本人の認識と現実とのギャップをいかに埋めるかということが課題であると、母と病院側との面談の中で、医師から話があったようです。医師から投薬以外の方針について話があったこと、また、言うべきことははっきりと本人に言ってくれる先生であることがわかり、それを聞いただけでも、ほっとしたのを覚えています。

 

さて、バレンタインのチョコレート選びは慎重にならなければなりません。ブランドの名前、デザインや味に変わった所があると、拒絶反応が起こるばかりか、いわれのない言葉の攻撃を受けることがあるからです・・・今回、ラ・メゾン・デュ・ショコラを選んだのは正解でした。袋も箱もチョコレートもシンプルなデザインで、弟も気に入ってくれたようです。来年はどうするか、きっとまたヒヤヒヤのチョコレート選びとなることでしょう。

 

今日の夜、弟から電話がありました。次回はいつ面会に来てくれるのかという内容でしたが、冒頭で「水曜日はありがとう。美味しくいただきました」と一言。こういう所は、相変わらずちゃんとしているなと感心したものの、次の話題では、何を考えたのかトーンが急変。相変わらず大変だなあと思いつつ、離れて暮らすというか、適度な距離を置くことの大切さを改めて感じる時間でもありました。

 

さて、次の面会に私は行くべきか否か、迷うところです。