退院後の最初の生活場所と家族の思い

入院の目的とこれまでの服薬管理

2011年から年に一度、3ヶ月間の入退院を繰り返していた大きな原因は、自己判断で断薬をしてしまっていたことにあります。実家にいたときは、家族が気づかないうちに断薬しており、様子がおかしくなって初めてそのことに気がついていました。

 

3年前の前回、アパートで一人暮らしをしたときは、お薬カレンダーを使い、訪問看護で服薬状況もチェックしてもらっていたのですが、途中、自己判断で訪問看護を断ってしまい、いつのまにか断薬もしていました。先日の面会での本人の話によると、退院後2ヶ月くらいで服薬をやめていたようです。

 

入院の一番の目的は、服薬治療を続けられるようになること。そして病識を持てるようになることです。おそらく病院で疾病教育などを受けているのではないかと思うのですが、どうやら弟にはそれが全く響いていないようです。いまもお薬カレンダーを使って服薬管理をしているそうなのですが、1人になったときも続けられるかはわかりません。

 

今後の服薬管理

入院中は服薬管理ができているものの、退院するとできなくなってしまいます。私は、弟が自分で服薬の必要性を感じて服薬できるようにならない限り、完全に自律した一人暮らし、もしくは家族との同居は難しいだろうと思っています。グループホームであれば、職員の方、もしくは訪問看護で服薬チェックを行ってもらうことができます。

 

また、一人暮らしの場合は、やはり訪問看護をお願いする必要があるでしょう。毎日デイケアに通うようであれば、外来で服薬するという方法もありますが、弟の場合はそれに該当しません。

 

どこで暮らすかという問題

グループホームへの入居の可能性について

7月にグループホームへの入居が決まっていたのに、直前になって断ることになったのは、サービス申し込みの書類に「児童」という言葉が入っていたからです。障害者総合支援法に基づく福祉サービスには、児童を対象としているものもあり、サインをするよう言われたのは共通して使われている書類だったようです。弟は書類の意図を正しく理解せず、「自分を児童扱いするのか」とサインを拒否し、結果的にグループホームの入居が流れてしまったのです。

 

サインするにあたって、担当のPSWの方がどのような説明をしてくださったのかわかりませんが、弟にとっては説明不足だったのかもしれませんし、大丈夫だろうと過信してしまっていたところがあったのかもしれません。家族がサインしてもよいものだったそうで、いずれにしても想定外のこととは言え、周囲の準備不足もあったように思います。

 

今回のアパート探しは自分で

今回の選択肢として、グループホームか一人暮らしかという話をする予定です。一度拒絶したグループホームへの入居を受け入れるかはわかりませんが、難しければ「一人暮らしを」ということになるかと思います。

 

前回の一人暮らしの際には、弟の入院中に母と2人で何件も不動屋さんを回りました。直接話をした私は、断られるだけでなく、心ないことを言われることもありました。そんな苦労も知らない弟ですが、今回は、前回お世話になった不動産屋さんに自分で話をしてもらおうと思っています。

 

精神疾患があることを伝えてのアパート探しは大変なものですが、中には生活保護の方や精神疾患を持っている方を受け入れているアパートもあります。ようやく見つけたその不動産屋さんは、アパートのオーナーさんから何件ものアパートの管理を任されており、精神疾患への理解もある方でした。また、オーナーさんのご子息も入居しているというアパートでした。

 

実は今回の入院前、断薬した弟は早朝からアパートでスピーカーを使ってカラオケを歌っていたそうで、苦情があったと不動産屋さんから連絡を受けていました。そんなこともあって、また受け入れてもらえるかわかりませんが、今度は自分で話をつけてもらおうと思います。

 

次回の話し合いに向けて

次回は、また前回の面会から2週間後に行く予定です。いまの弟がどのような反応を示すかわかりませんが、服薬管理ができるようになるまでは、家族との同居は難しいというスタンスで臨みたいと思っています。服薬管理ができるようになるとき、それは弟が病識を持った上で社会生活を送れるようになったときなのかもしれません。