弟は、いつまで一人暮らしを続けるのか

いま弟が日々どのような生活を送っているのか、詳しいことは母も私も知らずにいます。弟のことなので、掃除や洗濯はしっかりとやっていることでしょう。

 

通院や訪問看護以外で、人とコミュニケーションを取っているのか。入院しているときよりも、対人交流が少なくなっていないかどうかが、心配なところです。

 

そのような生活を続けていて症状が進んでしまわないだろうか、今の形での一人暮らしはいつまで続けるべきなのだろうかと思ったのをきっかけに、今後のことについて少し考えてみました。

 

弟は、いつまで一人暮らしを続けるのか

一人暮らしを選んだ理由

精神疾患を患っていて家族と同居しているという人も、いつかは一人で暮らすことになるケースが多いのではないかと思います。急に一人になることは、本人にとってそれなりの負担がかかります。それを考えると、今のうちに一定期間以上の一人暮らしに慣れておいたほうがいいというのが、私たち家族の考えでした。

 

しかし、一人暮らしをするとなると、それなりのお金が必要になります。一人暮らしできる持ち家があるとなれば別ですが、そうでなければ家賃が発生しますし、グループホームでもそれなりの費用が必要になります。

 

いずれも家族と同居する場合よりも、多くお金がかかることは間違いないでしょう。一定期間以上と言っても、今の状態のまま何年も一人暮らしを続けるのは難しいことです。

 

金銭的な問題

障害年金を受給できず、仕事もしていない弟が、いつまで今の一人暮らしを続けるかということは、私たち家族にとっても大きな問題です。株や不動産などの不労所得があれば別ですが、そういったものを持っていない場合、どのようにお金を工面していくのか考えなければなりません。

 

父亡き後は、節税のため母が一人で相続しました。その母が弟を扶養できるのにも限度がありますし、母亡き後、わずかに相続金が残る可能性もありますが、それにも限りがあります。その場合、私が援助をしなければならなくなるのかもしれません。

 

仕事ができるかという問題

退院から3ヶ月経ったばかりで、今はまだ一人暮らしに慣れる時期ということになっています。しかも、今はコロナウィルスの影響で、仕事を見つけるのもなかなか難しくなっている時期でしょう。

 

ちなみに、弟は統合失調症を発症してから、学生時代の塾講師のアルバイトと、新卒で数ヶ月間正社員として働いた経験しかありません。そもそも仕事をすることができるのか、どのような仕事をしたいと思っているのかといった問題が、次の課題です。次の課題ではありますが、そろそろどうするのか考えなければならない時期でもあります。

 

また、仕事ができるかどうかは別として、「障害者雇用」で働くことを選択肢の一つとして弟自身が受け入れるには、もう少し時間がかかりそうです。

 

障害年金と生活保護

精神疾患を患っていて、なかなか働けないのに障害年金を受給できないという人は、どれほどいらっしゃるでしょうか。弟の場合がまさにそれで、受給の要件を満たしていないため、制度が変わらない限り、障害年金を受給することはできません。

 

世帯分離して、生活保護を受ければいいのではないかという意見もあるかと思います。実際、私が支援していた方々の中には、生活保護や障害年金で生計を立てているという方が多くいらっしゃいました。家族がいても疎遠になっていて、うつ病で離職した後に生活保護を受けていた時期があるという方もいます。

 

しかし、今はまだ、なんとか母が扶養できている中で、私たちはその発想を持つことはできずにいます。弟は、それでなくても意に添わない入院生活を続け、半ば一人暮らしを強要されているため、疎外感を感じているのではないかと思います。そこで生活保護をという話になれば、完全に突き放されたと感じることでしょう。

 

では、どうするのが最善なのか。続きは次回、考えてみたいと思います。

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