統合失調症の当事者の心配をする前に、自分の生活を第一に考えた方がいい理由

1.相手をコントロールすることはできない

状態が安定していない統合失調症の当事者がいると、いつも気を揉んでいる家族が多いのではないかと思います。いつも家にいて働かなかったり、先のことを考えているように見えない当事者に、つい余計なことを言ってしまうこともあるかもしれません。また、中には自分の人生が上手くいかないことを、当事者のせいにしてしまう家族もいるようです。

 

先が見えない状況に、焦ったり、不安を覚えたりする気持ちはよくわかりますし、共感もできます。しかし私たちは、相手が病気であったとしても、相手をコントロールすることはできません。変えらるのは、自分のことだけです。

 2.サポートには心の余裕が必要

まずは自分の生活を第一に、自分の人生を生きていないと、心に余裕が生まれてこないでしょう。余裕がない中、当事者のことを真剣に考え、手を差し伸べることができるでしょうか。また、無理に自分の生活を犠牲にしてまで支援することが、素晴らしいことだと言えるでしょうか。

 

反対に、自分の生活で精一杯で手を差し伸べられないことは、酷いことなのでしょうか。もちろん、年齢や立場によっては保護者として当事者を見守り、扶養する必要もありますが、成人した大人同士であれば、考え方を見直す必要があるように思います。

 

統合失調症に限ったことではないですが、親子や夫婦が共倒れになってしまったり、共依存になったりするケースも多いようです。当事者も、家族が何かできない理由を自分のせいにされてはたまりません。当事者のせいにしないためにも、まずは自分の生活を第一に、できる範囲でのサポートをしていくのがよいのではないでしょうか。

 

3.家族も自律する必要がある

自律というと、私たちは当事者のことをイメージしがちですが、当事者の家族も精神的に自律していることが大切だと思います。当事者のことに引っ張られて、うつ状態になってしまったり、上手くいかないことを人のせいにしてしまうというのは、自律していない証ではないでしょうか。まったく影響を受けないことは難しいですが、それぞれが自律した生活を送っていけるよう、環境を整えることも必要かもしれません。

 

では、家族それぞれの自律に向けて、どのようなスタンスで、どのように環境を整えていけばいいのでしょうか。次回以降、これまでの経験を踏まえながら、自分なりの考えをまとめてみたいと思います。