いまを生きているか。

 

弟は、いまを生きているだろうか。

 

医療福祉関係者と話をする時も、過去の話をすることが多いらしい。以前できていたことを、自らアピールするかのように話すようだ。

 

「できる」ことが、過去のままになっている。

 

以前できていたことができなくなっても、弟は弟。ありのままの弟でいいと思うのだが、弟は「できない自分」を認めたくないようだ。

 

弟が統合失調症を発症する前、何をしたいのか、なぜそれをやりたいのか聞いたことがある。でも、その時には明確な答えが返ってこなかった。

 

その時に私が感じたのは、その仕事に就けば、人から認められると思ったからではないかということだった。心からやりたいと望んでいることではないように思われた。

 

ありのままの自分を受け入れること

私たち姉弟は、あまり褒められずに育ってきたかもしれない。親が望まないことはやってはいけない。できることが当たり前、できなくてはいけないと必死だった。そのせいか、承認欲求が強かったように思う。

 

もちろん、今はまったくそのようなことは思っていない。

 

高校生になると、私はそんな自分から抜け出し、反抗期に入ったのだが、もしかすると弟にはあまりそれがなかったかもしれない。親や周囲が認めるものになることで、無意識に自分を認めたいと思っていたのだろうか?

 

兎にも角にも、ありのままの自分を認めることが前進への一歩である。

 

過去の自分や周囲と比較することなく、周囲からどう思われるかを気にすることなく、今の自分が本当にやりたいことを見つけられたら、希望が持てるのではないだろうか。

 

皆が、一歩前進できますように・・・