家族の大変さ、医療福祉従事者知らず。

病識があり、自分で服薬管理をしながら自分の生活送っている方々は別として、そうでない統合失調症の当事者と暮らす家族の大変さは計り知れない。

 

断薬をしたりして状態が悪くなった時、どうやって病院に連れて行けばよいか考えた結果、やむなく民間救急を利用せざるを得ない辛さ。医療保護入院をさせる後ろめたさ。

 

入院した方がいいのか、迷うくらいの状態の本人と接するストレス。被害妄想。思い込みの強さ。家族への監視など。

 

通院や入院ではわからない家庭での本人の状態を、医療福祉従事者は知る由もないのだが、家庭に受け入れることを拒む家族に対して、どこか批判的な風潮があるような気がする。もちろん、中には家族への理解のある人もいるが、その数は少ないように感じる。

 

医療現場に入って気づいたこと

精神保健福祉士として精神科病院に入って感じたのは、多くのスタッフは、基本的に目の前の当事者のことしか見ていないということ。本人が家族についての相談等をすれば別だが、本人の問題に向き合っている。それはそれで当然のことなのだが、その当然のことに改めて気づかされた。本人のことは、基本的には専門職に任せていいのだと思えた。

 

では、家族のケアは誰がするのか?私の勤める病院には家族会があり、公認心理師が主体となって運営している。家族会は、地域にも存在している。家族会の参加者は、当事者の親が多いようだが、当事者のきょうだいが参加する兄弟姉妹の会もある。

 

最近は参加できていないのだが、私も兄弟姉妹の会に何度か参加したことがある。その時の印象は、参加者の年齢層が高いこと。比較的若いきょうだいのための勉強会に参加したことがあるが、そこで共有された内容は、前者の会とはまた違ったように思う。私もそう若くはないが、同年代どうしの共有は、お互いに勇気づけられることが多かった。

 

20代・30代から、これから親亡き後問題に遭遇するであろう世代まで、きょうだいは今、どんな悩みや不安を抱えているのだろうか。興味のある方々がいれば、現在の心境や課題、情報共有できる機会を設けることができたらいいなと思う。