きょうだいが考える理想の形【住居・生活費編】

3年間の医療保護入院を経て、退院してから3ヶ月。障害年金は、要件を満たしていないため受給できない。仕事もできる状況にない。親の扶養のもとで生活している。

 

こういった人が、今後どのように生活してけばいいのか。周囲はどのようにサポートすればよいのか。

 

あくまで我が家のケースですが、前回に続いて考えていきたいと思います。

 

きょうだいが考える理想の形【住居・生活費編】

 

弟の人生ですから、今後どのように生きていくかを決めるのは弟自身であるということは、前提として忘れないようにしています。ただ、いま現在は一人の力で生きていくことが難しく、周囲の支援が必要な状況です。

 

その周囲も、すべて弟の望む通りに支援ができるわけではないということを踏まえて、考えていく必要があります。

 

「小規模宅地等の特例」と住居の確保

まず、必要になるのが住む場所の確保。ありがたいことに実家は持ち家ですので、母亡き後もそこに住むことができるのではないかと思います。相続税のことを考えると、「小規模宅地等の特例」で相続税を安く抑えたいところです。

 

相続する家が「小規模宅地等の特例」に該当すると見なされた場合、330平米を限度として、その評価額を80%減額することができます。十分な預貯金がなければ家を手放さざるを得ませんが、節税によってそのまま相続できる可能性が高くなります。

 

一定期間は同居している必要があるので、仮に一人暮らしをしていたとしても、母と弟が少なくとも3年は同居することを前提に考えたいと思います。

 

安定的な収入による生活費の確保

住居確保の次は、生活費です。弟が安定的に仕事ができるようになるとは限らないため、毎月何かしらの収入が必要になります。仮に弟が仕事に就けないことを想定すると、母の存命中から生活費を生み出さなくてはなりません。それを確保するには、実家を売却する必要があります。

 

実家を売却した資金で、母と弟が生活できる広さの家に転居するのです。できることなら狭めの部屋をもう1戸購入すると、母と弟が別々に暮らすこともできます。また、弟と私で相続しやすくなるというメリットもあります。

 

私が結婚して家庭を持てば、1戸に弟が住み、1戸を賃貸にすることで毎月の安定的な収入を得られます。また、私が結婚しなくても、私の家賃が浮く分、それを弟の生活費に充てることもできます。いずれにしても、弟の生活費が生まれるのです。

 

不動産の売却と今後について

 

コロナウィルスの影響で、今後、不動産価格が下がっていくと言われています。いま住んでいる家の価値が下がり過ぎないうちに、売却しなければなりません。

 

また、弟が一人暮らしをしている限り、毎月の家賃と光熱費が母の懐から出て行きます。弟が、自分の生活費に充てている預貯金がなくなるのも時間の問題です。それがなくなる前に、賃貸での暮らしを終えなければなりません。

 

いよいよリミットが迫ってきています。これらのことは、少しずつ母とも共有し、話し合いを始めています。もちろん、世の中の状況がどうなるかわからない中、不安もあります。でも、それは誰にとっても同じことでしょう。

 

弟が障害年金を受給できないながらも生活できるだけの資金を残してくれた父と母に感謝しつつ、次にしなければならないことに取り組んでいきたいと思っています。

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